先日、友人に仕事の話をしていたところ、遺言書の話になり、「そもそも、遺言の必要性が高い人って、どんな人なの?」と聞かれました。
いくつか事例を挙げて説明すると、「なるほどね!」と納得してもらえました。
ただ、今振り返ると、少し薄っぺらな説明だったかな……。
そんな反省も込めて、改めて「遺言の必要性が高い人」を整理してみました。
まず、再婚し、前の配偶者との間に子がいる人。
前婚・再婚それぞれに子がいる場合も含め、面識のない子同士が相続人になることがあります。遺言で財産の承継方法を明確にしておくことで、遺産分割協議をめぐる負担を軽減できる可能性があります。
次に、独身で子がいない人や、子がいない夫婦。
親や兄弟姉妹、場合によっては甥・姪が相続人となるため、思いもよらない人が相続人になることがあります。また、相続人ではない親族やお世話になった人、法人・団体などに財産を残したい場合にも、遺言が重要です。
介護をしてくれている子がいる人も、その一人です。
「介護をしてくれた子に、できるだけ多く残したい」という意思があるなら、遺言で明確にしておくことを検討すべきでしょう。
また、配偶者や子が同居している家を所有している人は、住まいを誰に承継させるのかを明確にしておくことが、残された家族の生活を守ることにつながります。
障害のある子がいる人も、「自分が亡くなった後、誰が、どのように支えるのか」まで考えた遺言を検討する必要があります。
さらに、家族関係に不安がある人や、事実婚・内縁関係のパートナーがいる人も、遺言の必要性が高いケースです。相続人ではない人に財産を残したい場合、遺贈などを利用するため、遺言が重要になります。
同様に、長年お世話になった人に財産を残したい人、母校や法人、自治体などに寄付したい人、事業承継を考えている人も、遺言によって自分の意思を明確にしておくことが大切です。
そして、相続人がいない人も忘れてはいけません。遺言がなければ、一定の手続きを経た上で、最終的に相続財産が国庫に帰属することがあります。「築いてきた財産を、最後は誰かのために役立てたい」という思いがあるなら、その意思を遺言に残しておく必要があります。
こうして整理してみると、「遺言の必要性が高い人」は、決して一部の資産家だけではありません。
「まだ元気だから必要ない」「遺言書は資産家が作るもの」と考える方も多いと思います。
でも、友人からの素朴な質問をきっかけに改めて考えてみると、遺言とは、財産の多い人のためだけのものではなく、自分がいなくなった後の家族や大切な人のことを考え、自分の意思を残しておくためのものなのだと感じます。
だからこそ、遺言書の必要性や重要性を、分かりやすく伝える「伝道者」に自分がならなければならない。
今回の出来事は、そんなことを改めて考えさせてくれました。
